福岡・佐賀民医連

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私たちのとりくみ

2018年2月20日火曜日

2018年度介護報酬改定でどうなる? 「どうなる介護の未来!?介護ウェーブ学習会」開く


どうなる介護の未来!?介護ウェーブ学習会が1月28日(日)、福岡市博多区の福岡国際会議場で開かれました。この学習会は、①2018年度介護報酬改定の内容や制度改革の全体像を学び深める、②介護事業所の困難な現状や報酬改定への対応を学び交流する、③介護保険制度改定の「問題点」などを広くアピールする、以上3点を目的として開かれました。県連から9法人112人、「認知症の人と家族の会」や他県からの参加が12人、計124人の参加がありました。

学習会では服部万里子氏(服部メディカル研究所所長)が「どうなる?介護の未来~介護報酬改定と地域包括ケア」と題して講演。続いて、特別養護老人ホーム、ホームヘルパー、障害福祉サービス事業所の立場から指定報告を行いました。その後、親仁会みさき病院の田中清貴院長をコーディネーターに講師と指定報告者を交えシンポジウムを行いました。



介護保険制度の理念に反する改定

講演で服部氏は「『自立支援・重度化防止』の名の下に改善可能性のない高齢者が排除されようとしている。一方で、地域包括ケアシステムから地域共生社会へシフトする策として、障害者・障害児をも対象とする『共生型サービス』を創設する。財源を『税金による福祉』から介護保険に移行し、将来的に被保険者の年齢を引き下げる狙いがある」と指摘。また、「ホームヘルパーによる調理や掃除などの生活援助は利用者の状況抜きで回数制限される。自立支援の名の下でのサービス利用抑制は許されない。利用者の生活背景を考慮せずの生活援助の回数制限は、介護保険制度の理念である『利用者主体』『自己決定』に反する」と訴えました。



高齢者介護と障害者福祉の現状

 指定報告では、川添大介氏(特別養護老人ホームいきいき八田)が前回の改定で特別養護老人ホーム入所が原則要介護3以上となり入所待機者が減少している現状や介護職員の確保が喫緊の課題であることを報告しました。吉富薫氏(福岡地域福祉サービス協会)は、制度の度重なる改定に生活援助サービスが翻弄されてきた経過や、生活援助が利用者にとって必要不可欠なサービスであることを支援事例を通じて強調しました。山本勝己氏(きょうされん福岡支部事務局長)は、昨年末に突然出てきた食事提供体制加算の廃止をめぐる動向に触れ「障害があっても当たり前に働き、選べる暮らしを」と訴えました。



運動を広げていくことが重要
 シンポジウムでは、服部氏から改めて「理念を実現できる、より良い介護保険にしていくことが重要」と強調されました。制度改定により利用者の人権が蔑(ないがし)ろにされる、とても容認できるものではありません。様々な分野の方々と連帯し、介護保険制度改善の運動をひろげていくことの重要性を再認識して学習会を終了しました。